◇オステオパシーとは
1874年にアメリカ人医師のアンドリュー・テイラー・スティル博士によって創始された自然医学です。
Andrew.T.Still(1828-1917)
風邪や傷などが自然に治癒していくように、身体には自然に自らを回復させる能力が備わっています。本来身体は健康な状態を保つように出来ているのですが、様々な原因によってその能力がブロックされることで、時間をかけながら健康な状態が損なわれていきます。
オステオパシーでは、その能力がブロックされる原因を取り除くことで、身体が自らを良い状態に回復していけるように手助けをします。
人間の身体は、筋骨格系、神経系、血管系や内臓など多くの器管が集まって、一つの生命体を構成しています。それらは調和して全体として機能しています。
私たちの身体は、日々多くのストレスにさらされています。物理的ストレス、精神的ストレス、心理的トラウマ、化学物質、電磁波などは、身体の構造や機能の調和に影響を与えます。
身体の構造に異常(骨格の歪みやねじれ、組織の緊張、臓器の癒着など)が生じ、身体の機能が低下(血液供給の低下、神経伝達の異常、代謝異常など)することによって、自らを回復させる能力が低下していきます。そして、病気や痛み、アレルギーなどの様々な症状が現れてきます。
オステオパシーでは、痛みや症状の原因がその場所にあるとは考えず、全身を調べて原因を探り、施術を行います。原因を取り除くことによって、身体が本来の回復力を発揮し、自らより良い状態へと変化をしていきます。
施術で触れるのは身体の表面ですが、全ての組織や器官には動き(自動性)がありますので、その微細な動きを捉えながら身体の奥にある骨格や関節だけでなく、内臓やリンパ・血管系、頭蓋骨や脳神経系などの構造にも働きかけることができます。
身体の生理機能は、身体の構造の状態に大きく影響を受けますので、身体の奥深くの構造の問題を取り除くことが全身の生理機能の改善につながります。その場だけの変化ではなく、施術後に時間をかけながら症状が改善したり、体調が良くなることが多いのもオステオパシーの特徴です。
さらにオステオパシーでは、人間は身体と心、精神を持つ統一体であると考えています。それぞれの働きやつながりを大切に考え施術を行います。健康な状態になるためには、この3つのバランスが取り戻され、調和が取れる必要があります。
◎オステオパシーはスティル博士の死後も弟子達によってイギリスやフランスなどのヨーロッパ諸国やロシア、カナダ、中東、オセアニア、南米などに伝えられ、現在アメリカには29校のオステオパシー医科大学があり、ロシア、ヨーロッパ諸国にも数多くのオステオパシーの大学や研究機関の機関が設立されるなど、現在でも世界的な広がりをみせています。